訪問看護をしていますと、利用者さんとのコミュニケーションがはずみ、その会話の中からご本人の死ぬまでにやっておきたいリストを聞いてしまう場面があります
その方は、一人暮らしで在宅酸素を使用しています
ご本人は、酸素を吸わなくても生活に不自由していない、と日々話しています
確かに、労作時には酸素飽和度が90%をきり、チアノーゼ、その時にはじめて酸素を吸い始めます
酸素飽和度が安定してくると、もういい、といい酸素を外します
私たちナースは、治療である在宅酸素をいかに理解してもらい治療に協力をしてもらうのか、を考えアプローチしますがなかなか、難しいこともあります
転倒が増え、訪問時には傷の数を数えることが多くなりました 骨折をしないように、と祈るばかりです
そんな、利用者さんから質問を切り出されました 「毎年行っていたいたjazzフェスティバルに行きたい」というのです
確かに在宅酸素をもって、旅行はできないこともないのですが・・・
新幹線を使い、2泊3日の行程
転倒も多くなっている、低酸素状態が増えている、とアセスメントしている私
これは、ACP(アドバンスケアプランニング)の本人の気持ちを聞くチャンスだ、と思いました
jazzフェスティバルに行くとして、そこで病状が悪化して、救急搬送後、そこで死亡診断になるかもしれないですよ。それでも、行きたい、ということです?
これが最後になるかもしれない、と思っている だから、いきたいなあ 娘にも付き添ってもらうから迷惑がかかることは、承知のうえ
旅費は、俺が出すんだから行きたいよ
娘さんともよく話し合ってくださいね、私もご希望は叶えてあげたいですよ
後日、娘さんとも話し合い、jazzフェスティバル旅行を決行した
新幹線の中で、呼吸困難が起き、落ち着いて呼吸することを促し、「死ぬかと思った、こんなに病気が悪かったんだな」と話す
そうなんです、なので苦しくならないように、酸素を吸わないといけないのですよ
ご本人も納得し、酸素は常に使い、無事に2泊3日の旅行を終了しました
ご家族の事情もあり、施設へ入所したMさん
娘さんから、本当に一緒に行ってもらってよかったです 最高の思い出になりました 感謝、感謝です、と嬉しい声をいただきました
介護することに後悔したくない、と話していた娘さん
今後、なにがあっても後悔はない、と言ってくれた娘さんのお顔はとても輝いていました