看護関連

100歳 天寿を全うする

ついにこの時がまいりました
いつかはこの日が来ることはわかっていましたが
やはり、涙がこぼれます

100歳の方の旅たちの時

ここ2週間、状態が不安定でした
家族が電話をすると往診のドクターが駆けつけてくれました

処置を施して、命をつなぎました

ご本人もですがまさか、100歳を迎えることができるとは思っていなかったようです

この方は、デイサービスの送迎途中で事故に遭いました
ドクターヘリで医大へ搬送されたそうです

家族は、高齢だからもう助からないかも、と落胆していました

復活を遂げて、在宅に戻りました
命をつなぐように、と選ばれました

以前のように歩く事はできません

以前のように自分で車椅子に移ることもできません

けれど、ベットで端座位はできます

私たち看護チームとリハビリチームとで訪問しました

筋力アップしないと端座位を保持することはできません
なので当社のOTさんが自宅での自主トレメニューも考えて、お嫁さんが
声掛けしてくれました

食事のアドバイスは看護チームがしました

内服薬のせいで、食事後に何回もお通じがでました
オムツからあふれるくらいで、お嫁さんは汚れたパジャマの洗濯に
苦労していました

看護師の出番!
さて、お通じのコントロールをしないといけないですね
内服薬の微調整が始まりました
腸内環境を整えるアイディアも出して話合いしました

オムツの当て方や種類を一緒に検討しました
一番よかったのは、フラットオムツに切れ目を入れて、オムツを保護する
方法でした

今日は漏れなかったんですよ!!ありがとうございます
にこやかなお嫁さんの顔、私たちが役に立った瞬間です

これからも一緒に色々考えていきましょう

そうですね、いろいろ教えてくださいね。

喜んで!

それから、いろいろありました。
脱水かもしれない、食事量がへってきた、どうしましょう?

誤嚥も配慮しないといけませんからゼリー補水をしてみましょうか?
アイスクリームもよいですね
甘酒、好きでしたね、いかがでしょうか?

熱があります、どうしたらよいですか?
まずは冷やしましょう
痩せているので冷やしすぎは体に悪いので一時間したら検温してくださいね
下がったら、取り外しお願いします
下がらなければお電話くださいね

おしりの皮がむけています、すぐ病院に行った方がよいでしょうか?
様子を見に伺ってよいですか?
拝見しないと判断できませんので拝見させていただいてから対策を
考えましょう

食べましたが痰が絡んでいます、とってもらえますか?
はい、今行きますからお待ちくださいね

おばあちゃんがおかしくなった!手の皮をむしっています。血だらけです!!
なんと!今から行きます。お家に消毒薬やガーゼはありますか?
塗薬があればなおよいので探してみてください
大丈夫です!

入院して家にもどったら、おばあちゃんがしゃべらなくなった
だんだんにダメになるのかね・・・
いやいや、まだまだ機能はいきていますよ
リハビリさんにも相談して歌を歌いましょう
歌や踊りが好きだから楽しいリハビリになります!

こんなにおばあちゃん、ツルを折りました
何とかしてほしい、こんなにたくさんあります

生きがい、やりがい、なお良し!!

ええ、小児のお子さんがいますので私たちが持っていきましょう
喜んでくれます

カラフルな折ツル

まるでMさんの人生模様みたい
お花模様のツル
ハート模様のツル
動物模様もありました
和洋柄のツルはなかなか、おしゃれでした

巨大なツル
お嫁さんが折ってくれましたがこれは100歳のお祝いに
市長さんからの頂き物の包装紙で折りました

それは偽物のツルよ、だって羽が動かないもの
お嫁さんが茶化すと「そんなはずはない」という意気込みで
また、折ツルを折る

窓際のお部屋で、穏やかな太陽の光を浴びながら

時には空をながめ「晴れだあね~」という

大正の空、昭和の空、平成の空、そして令和の空を眺めていた

戦争を生き延びて、食べるものに困ったこともあっただろう

畑がうまく実らないこともあったであろう

夫に先立たれ、息子にも先立たれ

悲嘆にくれて、これからどうしようか、悩んだ日もあったのかもしれない

けれどMさんはいつまでも落ちこまない

夫や息子が先立ったのは、天が与えた命だから仕方がない

一人ひとり命の長さは違うのだ、私は私の命を全うしよう

おばあちゃん、おじいちゃんや息子の分まで長生きしようね
お嫁さんが目を細めていつも言う

そうだあね~とほほ笑むM さん
入れ歯をいれない笑い顔がとってもチャーミングだった

そんな笑顔に包まれて、お孫さん、曾孫さんたちは育った

おばあちゃんがいつもいる普通の生活
曾孫さんがひくエレクトーンやピアノにあわせて手踊りをする
愉快なMさん
歌も大好き
リハビリの一環で目の前に「バラが咲いた」の歌詞が貼ってある

それを良く歌ってくれた

鍛えた声帯は、まだまだ健在

さんさ踊りも大好きで、旅たつ前日も太鼓をたたいてみせてくれた
しっかりした手つきで太鼓のばちをもってリズムをとっていた


100歳の生命力にただただ、脱帽 頭が下がる

私たちはどのぐらい生きれるのだろうか

100年をこうしてにこやかに過ごすことができるのだろうか

天に召され、喜んで旅立ったMさんは今はあちらでどうしているだろうか

先だった旦那さんや息子さんと下の世界ではこんなことをしてきたのよ

と思い出話をして笑っているのだろうか

呼吸停止するまで、心臓が力つよく打っていて、呼吸の弱さと共に
灯が消える様に静かに旅立った

呼吸が止まった時、抱きしめてもいいですか

泣きながらお嫁さんが言った

いいですよ、その方がいいです

嫌だよう、おばあちゃん 

なんで、もう

ありがとう、ありがとう、おばあちゃん

心からの愛の叫び

それはMさんとお嫁さん、家族の愛がリンクした瞬間

とっても愛に満ち溢れている家族の愛

エンゼルケアをさせて頂いた

美人なMさんだけど、美人さんを披露しないとね

おばあちゃんは死んだときはこれを着せて、と自分で
決めていったの

自分で縫った浴衣なの

藍色の浴衣に薄緑の帯

とっても良くお似合いです

ご家族、ご親戚に面会して頂いた

さっきの顔とは全然違う~
眠っているみたい
ぐっすり眠っているわ

そうですよ、眠っているのです

うっすらほほ笑んでいるMさんを感じたのは私だけかな

ありがとう、Mさん

天からみんなを見守って

そして、光の道を示してほしい

誰も、迷わぬように

100歳、あっぱれな人生に

Mさんの大好きな男山で乾杯!!




関連記事