看護関連

師匠の旅たち Ⅱ

なぜ、利用者さんTさんを「師匠」と思い、支援したのか、不思議に思うかもしれません

それは、Tさんの人間性

広く、深い、やさしさ、愛

言葉は、乱暴な表現もありましたがそれは、宮古弁、お国言葉、その方の個性


当ステーションでは、看護学生実習を受け入れしています
在宅は、病院と異なり自分の自宅ですから、自宅に他人を入れることを嫌がる方もいらっしゃいます

Tさんに学生実習の同行訪問を依頼した時のこと、快く受けてくださいました

俺よ、体がうごかねえだろ、学生に体触らせる事ぐらいしか役に立たねえ、と

学生が俺のこと見てよ、宮古に就職してくれたら宮古の医療が助かるべ?
なあ、ガルシアさん、そう思わねえが?ガルシアさんも助かることになるべよ

そんなことを考えてくれていたんなんて!と心が熱くなり、
この方を、Tさんを
命ある限り支える! この方の人格に勝るものは、ない

自分の身体を張って、若い学生を教え、宮古の地域医療を考えているなんて、
これを「師匠」と言わずにこの方をなんとよぶのだろうか

神経過敏があり、体に触ると不随意運動が起きる
その状態は、辛いものだと思っている
でも、Tさんは、新卒ナースや学生に向かって

びっくりしただろう?大丈夫だあ、すぐに治まるから、という
怖がんねえで、いいぞ
これが俺だからね

その言葉から、自分の病気、境遇、障害を受け入れ生活していこう、と決めているのだ、とTさんの強い気持ちを感じました

やっぱり。「師匠」、すごいと思いました

誰でも、病気・境遇・障害を受け入れることは難しく、至難の業

なぜ、こんなことになってしまったのか

なぜ、治らないのか

生きていてもしょうがない・・・・等々

Tさんは、それを受け入れ、しかも学生や新卒ナース、私へ生き方の指導をしてくれる

しかも、自分の身体を提供して

やはり、私にとって、Tさんは、師匠なのです

いや、学生や新卒ナースたちにとって、かけがえのない「師匠」

そんな貴重な時間を体験させて頂いた私たちは、幸せなのです

支援が終わると学生に必ずかける言葉

卒業したら宮古に就職してね  俺にまた会いに来て、と

新卒ナースが段取りよく、支援が上手くなると

上手くなったね、もうガルシアさんは来なくていいぞ、と

私が訪問すると

今日は何しに来たの?他の仕事はないの?、と笑う
ちゃんと若い人がやっているかって、見に来たな、と
心配するな、ちゃんとやってくれているよ、と

Tさんの心の器の広さに支えられ、私たちは時間を過ごしたのです

まるで、包まれるかのように

そのきれいな魂に触れることができ、私たちの魂も洗われました

どうか、師匠、空から私たち、これからの若いナースたちを見守ってください

時々、空をみて師匠の笑顔を思い出しますね

俺、ほら吹きだから俺のいうことは、信じるなよ
何をいうか、わがんねえぞ

その、はにかんだ笑顔が忘れられません

ありがとう!!ありがとう!! T師匠!!

私たちは、T師匠が大好きです



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